最後のお風呂は泣き笑いながら‥
警察署ではグレーの納体袋の中で息子は眠っていた。
綺麗な布団を上からかけてもらっていた。
お巡りさんに言われた。
「見た目は外傷がないように思うけど
身体の中の損傷は酷いから、、葬儀屋でも湯灌は無理やと思うよ。多分このまんま納棺になると思う」と。
私は、どうしても納体袋のまんまは嫌で仕方がなかった。
翌日に検案するかしないか?分からないけど〇〇病院に葬儀屋と向かえに来るように言われた。
長男と旦那と一旦自宅に戻った葬儀屋を探す。
私と旦那は警察からの事情聴取も並行で、、、、
ネットで探しつつ電話してみたり、、
誰を呼ぶのか?家族葬なのか一般葬なのか、、色々聞かれるけど分からない事だらけ。
葬儀なんてした事ないし、前も書いたけど私達家族は無宗教なもんで、知り合いにお坊さんもいない。
私は自分の仕事場に電話をした。
私の勤め先は介護施設だから、、。
提携してる葬儀屋を紹介してもらおうと相談してみた。
大手の葬儀屋の担当者と連絡先を教えてくれた。
親身になってくれるよということで息子が電話をし話を進めていった。
あんまり記憶はないけど、そこでいいんじゃない?って適当に返事をして決めた所もあった気がする。
色々疲れてた。
ほとんど寝てないし食べてないし、飲んでないし。
合間にお巡りさんからの事情聴取だったりで、ボー然としてたようにも思う。
あとあと、その葬儀屋にして正解だった。
翌日、葬儀屋さんが息子の遺体を見た後に「湯灌出来ますよ」と言ってくれた。
私の兄弟、旦那、長男、長女、私で最後に息子をお風呂で綺麗にした。
流石にプロで隠すところは隠してた。
驚いたのがシャンプーもトリートメントもしていいって事。
息子は出血も足の方だけだったので、本当に外傷という外傷はなかった。
背中を洗うときに見えたけど傷1つなかった。
シャンプーもガシガシした笑
シャワー🚿オンリーの子やのにね〜って言いながら入水してる息子の手を握った。
打撲痕が手のひらにあった。
息子の手を握ったのは何才頃が最後なんやろ?って皆の前で笑いながら。
笑いながら泣いてた。
泣いてたなぁ。私。
そのあと息子がつけてたボディークリーム、香水、スキンケア、、
全部持っていってたので全部した。
死化粧は長女が。
息子はK-POPが好きで自分のスキンケアやコンシーラーとか持ってたから、それで綺麗に男前に仕上がってた。
ちゃんと白装束を着てみんなの手で納棺させてもらって私の中で安堵した1つの瞬間やった。
あの場にいたスタッフさんが後に「親族の方がワイワイ話しながら笑いながら泣きながらした湯灌は久しぶりでした。
いい勉強になりました」って泣きながら言ってくれたらしい。
私は納体袋で逝かせる訳にはいかないとあの時は必死やった。